XX 審判 Judgment は、
タロットの大アルカナに属するカードの1枚である。
ウェイト版
マルセイユ版
カードの意味
正位置
復活 結果 発展
逆位置
悔恨 行き詰まり 悪い報せ
ウェイト版では、復活 位置の変化 更新 結果 を意味するとされています。
カード番号は、20
アルカナの描写は新約聖書の巻末・ヨハネの黙示録に由来するとされ、
ラッパを吹く天使は最後の審判に基づき、大天使ガブリエルがモチーフとされています。
マルセイユ版に描かれる
審判は、雲をまとい空中から現れた巨大な天使が、
鋭角的な光を放ち、右手はラッパの吹き口を持ち、
左手は十字の紋章の入った旗を指差した姿で描かれています。
地上には、向かって右側に老人が一人、左側に女性が一人、
中心には棺からよみがえった人物が後ろ向きに立った状態で描かれています。
天使と人物達の関係は、非常に意識的な接触であると解釈されています。
恋人に登場した天使などのように、
地上の人物達のあずかり知らぬ所で活動しているのではなく、
人物達がその存在を確認し、何らかのコンタクトをとっている様子で描かれています。
この事を強く象徴するのが、天使の持つラッパとギザギザの光であると解釈できます。
ラッパとは即ち
音であり、この天使による干渉は、
光と音の両方によるものであると暗示しています。
旧約聖書や創世記に記される神が、最初に行ったとされる創造行為は、
光あれの通り
光といわれています。
しかし神が発した
言葉は
音であり、創造の前に
音が存在した事になります。
音は人間または動物や生物にとって、
光よりも即物的で直接的である事は、
音による空気の振動が聴覚だけではなく身体全体を震わせ、
超音波がガラスを破壊すること等に例える事が出来ます。
光も人間の視覚に大きな影響を与えるものであり、
これら
音と
光の両方による干渉からは、何者も逃れられないことを暗示しています。
地上に立つ3人の人物達、彼らは天使から逃れるどころか、
厳粛に受け入れている様に描かれています。
この人物達の中心に立つ後ろ向きの人物は、今まさに甦った瞬間であると解釈できます。
しかし、この人物が男性なのか女性なのかは、この描写では定かではありません。
わかるのは、この人物が若々しくエネルギーに満ち溢れている様子である事と、
両脇の男女に復活を祝福されている事です。
この人物は
吊るされた男のように孤独でも無ければ、
塔のように危機的状況に居るわけでもありません、
通過儀礼の儀式を遂げ、新たに生まれ変わった姿であると解釈されます。
人物が
3人であることから、地上における三位一体の完成を表すと解釈できます。
これに天使を加えることで、
天と地をつなぎ新たなる概念の誕生を表すとする説も存在し、
天使の持つ旗に記される正十字をもって裏付けと解釈されています。
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